私は、片頭痛持ちである。
でも、このところ家で仕事ができていることで、自己管理もしやすいためか片頭痛はすっかり身を潜めていた。
しかし、今日は朝から何やら調子が悪い。
我慢しながらパソコンに向き合っていると、いよいよ頭痛の予兆がきて、気分が悪くなってしまい寝ていた。
そして、ふいに窓の外を見ると雲の動きが早い。それを見て思い出した。
そうだ。今日、九州に台風が近づいている。
頭痛の理由
私の頭痛の理由はそれだったのだ。私は、気圧の変化で頭痛になってしまうことが多く、頭痛になったらだいたい長引いてしまう。
早く治れーと思って、寝ていたのだが、どうにも気持ちが滅入る。
今日の締め切りだってまだある。と焦っていたのだけれど、焦っても仕方ない。
そこで私は開き直って、テレビをつけた。
横になりながらリモコンを操作して、アマゾンプライムビデオに移動すると、トップページには、あのドラマが。
2016年に一大ブームになったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」だった。
誰もが知っている「逃げ恥」
実は私、一度も見たことがなく、ブームになったダンスを知っているくらいで。
「ラブコメなんだろうな」という軽い気持ちで、観てみることにした。
最初は目を閉じながら音を聞いたり、時折り画面を観ていただけだったのだが、回を重ねるごとに、どんどん画面を見る時間が増えていき、引き込まれる。
まったく知らなかったのだけれど、逃げ恥は、ただのラブコメではなかった。
派遣社員、専業主婦、女性の生き方、家庭の在り方。
女性を取り巻く壮大な話をラブコメ調にまとめて、共感しながら見やすくしてくれている。
ちょっとずつパロディーをはさんでくれるのもおもしろい。
女性なら、だれもが共感できる内容になっていたのだ。
ちなみに、「逃げるは恥だが役に立つ」は、ハンガリーのことわざ「Szégyen a futás, de hasznos.」で、「恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切」の意味。とのこと。
脚本家の野木亜紀子さんについて
原作は漫画で面白いに違いないが、映像化するにあたって、脚本がとてもマッチしていたように感じた。
興味が湧いて調べてみると、野木亜紀子さんという方で、36歳の時にフジテレビヤングシナリオ大賞に輝いたのだとか。Wikipediaには、6年応募し続けたとも書いてあって、続けることは大切なんだと実感。
そしてキャリアのスタートが36歳という部分にも、勇気づけられる。(もちろん、その前までの実績もあるけれど。)
前半部分の軽快で楽しいシーンから、一緒に暮らしていくリアルな同居のシーンへのコントラストに一気に引き寄せられて、脚本の力を感じた。
そして、ドラマを抜け出した夫婦の問題について提起しているような部分は本当に素晴らしい。
「最低賃金で働く」
ドラマの中で、特に目からウロコだったのが、「最低賃金で働く」ということについて。
時給2000円で働いていたら、なんとも思わないことが、時給930円だったらモヤモヤする。
あれ、なんだかライターの仕事につながりそう。
なんて、思ったりもした。
やりがいの搾取。愛情の搾取。
搾取されるのは嫌だと思う。できることなら搾取されたくはない。
ただ、搾取されないことを優先して生きたり、搾取を恐れて気持ちを見失うのは怖いことだと感じる。
その時の自分の立ち位置によって見えたり、見えなくなったりするし、結果搾取されてしまっていたというのは悲しいことだけれども。慎重に見分けて、生きていかなくてはいけないと思うのだ。
今はまだ…。
「今はまだ…。」「今のところは…。」
と言って、今のライターの時給を考えないようにしていたのも事実。そろそろ向き合おう。
勉強させてもらえるとか、私のためだとか。ボランティア活動として自分が納得できるもの以外には、時間を使わない方がいい。
やっぱり納得感がないのってつらい。
生きている時間は限られているのだから、必要のない無駄は最小限にして生きていきたいと思う。必要は無駄はあるし、無駄を楽しむこともあるから、その部分は残して。
・・・
いつもと違う一日だからこそ出会えたドラマ。知らない世界って、まだまだあるな、ヒット作ってすごいなと思ったお話でした。